JCD AID (ジェーシーディーエイド)
JCD日本商環境デザイン協会は、各地で起こる災害に対して積極的に支援を行うべく、JCD AIDを立上げました。JCDの正会員、賛助会員から義援金を募り、それを理事長と各支部の支部長の判断のもと、適切な支援を、適切な場所に行っていく活動です。2024年1月1日に起こった能登半島地震への支援を始めております。以下の報告は、JCD北陸支部の木村支部長の支援活動の報告となります。ここにJCDの義援金が活用されております。
2024年4月15日支援活動
日 付 | 2024年4月15日 |
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場 所 | 珠洲市のまつなぎ地区の被災地へ |
内 容 | 支援物資を届けに |
担当者 | 北陸支部/木村嘉秀支部長 |
2024年4月14日、能登沖地震の支援活動に行って参りました。
ハイエース一杯分の支援物資を積んで、仲間3名とその息子さん(小6)の4人で珠洲市のまつなぎ地区まで行って来ました。能登半島の最北端に近く、今回の震源地のすぐ横です。富山から片道4時間かかります。ここの地区は海沿いの幹線道路しかアクセス手段がない場所でした。今回の地震で東西の道が土砂崩れで寸断され、地震後1週間以上孤立していたところです。今はなんとか通れる様になっていますが、まだ大型車は通れません。水道は復旧していませんが井戸水が豊富なのでなんとかやって行けている状況です。
しかしここは行政の公式な避難所の認定許可がおりてないそうです。「水道が繋がっていない為、衛生面で担保できない」という事が大きな理由となっているそうです。もし、公式な行政の支援を受けたい場合は水道の通っている遠方にある内地の避難所に行く必要があるそうです。しかし彼らがこの避難所から、全く知らない地域の避難所に行く事は簡単なことではなく、難しい状況です。逆に、この避難所に来ているボランティアが居てくれるからこそ、この地域の復旧や復興が少しづつでも進んでいるのです。
物資をおろした後、せっかく遠くから来たんだからぜひ!との事で避難所のお昼ご飯をご馳走して頂けました。近所で採れた筍の炊き込みご飯、朝採れのワカメや海藻のおかずです。私の想像していた避難所のご飯とはかけ離れていましたが、とても美味しかったです。
各箇所に散らばっていたボランティアの方々も集まってきて、避難されているご近所の皆さんも一緒に皆で海を観ながら頂きました。
この場所がなかったら、この地域の方々が大切にしてきた漁業や農業がなくなってしまいます。政府は今後20年で過疎化が進むと予測されているこのエリアに、復興資金をかけるべきか?という議論が出ているとか。そういう議論ではなく、地域の文化や伝統を残すにはどうしたら良いかという議論をして頂きたい。
こんな素敵な人達と、
こんな素晴らしい景色を観ながら、
こんな美味しいご飯が食べられるって
とても幸せだと心から感じました。
沢山のお話も聞けて、帰りに人数分の筍と椎茸までお土産に頂きました。
現状をいろんな人に知って欲しいとの事。
皆さんとても元気で笑顔でした。
また再訪したいと思います。
次に近くの大谷地区の民家の被災ゴミの搬出と、処分場への運搬のお手伝いもしてきました。
屋根瓦が落ちて雨漏りし、中の物がダメになってしまったお宅です。
行政ボランティアには「生活に直結しない納屋や倉庫の片付けはダメ」というルールがあったらしく、以前に要請したものの、せっかく来てくれたのに「納屋ですか・・・」と何もせずに帰ってしまったとか。
今はそのルールがなくなったとか、まだ残ってるとか、よく実情が分からなく大変困っているとの事。
震災に便乗して震災被害ではない事までボランティアにさせようとする人が居るのかもしれません。これもルールはルール。仕方ありません。
お家の方からは
道が開けた!
電気が通った!
飲めないけど水が来た!
そして、私達の様なボランティアが来てくれた!
そういう一つ一つが本当にありがたい。と気持ちを話して頂きました。
綺麗な道を走れて、電気が使えて、蛇口をひねると水がでる。
こういう「普通」がいかにありがたい事なのかと、再認識させられました。
今回はこの二か所の支援をしてきました。
長文となりましたが、少しでも被災地の現状を知って頂きたいと思いました。
そして、どこへ行っても被災地の皆さんは前を向いていて、毎回ながら大変大きな元気と勇気を貰って帰ってきます。
改めて、行政だけに頼るのではなく、人間同士やコミュニティの繋がりからの支援が必要だと感じました。マスメディアにはあまり報道されていないと思いますが、今後もこういう個人的な繋がりの先に、皆さんからの義援金を通して支援をしていこうと思います。
今後もご理解をよろしくお願いします。
添付する写真は、痛々しい風景ですが、震災後3ヵ月以上経った4月14日の現状です。
ぜひ観てみてください。