グランプリ 株式会社Luci No.2414 LRMSK-T リミット sk
私達インテリアデザイナーにとって、材料(素材)は最も大事なアイテムである。
一つの材料の持つ ‟力‟ から空間のイメージが広がり、デザインすることが多々あります。
デザイナーにとって、空間のイメージにあった材料を探す場合やはり多くの素材や、新しい素材を知っている事は重要な事です。
初めての審査員で最初は緊張もあり、何を基準に採点していいのか迷っていたのですが、やはり自分が設計する上で、これから使いたい商品(材料)の順番を基準に採点すると決めました。
二次審査に残るだけあり、甲乙つけがたい部分はあったのですが、各社のプレゼンにより気付かされた部分も加味して採点しました。
事務局から指示された採点方法は、実に平等で採点しやすい方法でした。
今回、グランプリを受賞した「Luci」の「リミットSK」は、細かいところまで気配りをされた照明器具でデザイナーの多くがこれから使用する事でしょう。
次に、準グランプリ受賞の「サンズ」の「PLUSMINUS」は、数種類の異なる灯具をベルトに付けられ、そのベルト自体がデザイン的にも使用可能なる点がとても評価できます。
またもう一つの準グランプリ受賞の「不二サッシ+シリウス」の「デザインパンチングパネルシステム」は、光の入れ方で色々なバリエーションを表現できる事にとても感心しました。
JCDの正会員として、賛助会員各社の新商品や進化した商品に常に興味を持ち、良い商品は進んで設計に取り入れ、応援していくのがデザイナーの努めだと思いました。
審査員 JCD理事/東北支部長 大塚 真司
準グランプリ 株式会社サンズ No.2403 PLUSMINUS
本製品は、従来の照明システムとは一線を画す、非常に革新的な照明システムであるといえる。最も象徴的な通電素材を内包した布製のリボンによって、照明システムにおける制約ともいえるダクトレールや電気コードから解き放たれ、自由で美しい照明システムを実現している。布製の通電リボンがインテリアに馴染む優れた質感である点も好ましい。また、どこでも通電および設置可能な照明ユニットの固定方法においても独自性と可変性に優れている。リボンの長さや固定方法によって直線的にも曲線的にも表現可能な点も面白い。深い考察と検討の末に導き出されたであろう複数の照明ユニットとリボン、アクセサリーによって、あらゆる空間を無限に彩ることを可能にしている。デザインとエンジニアリングが高い次元で結実し、機能と美しさを両立した自由で優れたデザインである。
ゲスト審査員 プロダクトデザイナー 株式会社DESIGN FOR INDUSTRY 北川 大輔
準グランプリ 不二サッシ株式会社/有限会社シリウス No.2437 アルビームプラス デザインパンチングパネルシステム
準グランプリに輝いたアルビームプラスは、本来無機質であるはずのパンチングパネルを、見事なまでに有機的に美しく表現、変貌させたとも言える製品である。
写真データやグラフィックデータを読み取り、孔径と配列により緻密に再現するソフトウエアを開発し、和柄や立体柄等を孔径穴の調整のみで表現したシンプルで美しいパネルを製作。そしてそれだけに留まらず、グラデーション粉体塗装やLEDライトと組み合わせることにより、なんとも躍動感のある大胆で優美なプロダクトへと昇華させている。
同じパンチングデザインであっても、グラデーション色やライト色を変えるだけでまた多彩な演出が可能となるなど、無限の可能性を感じさせる点も評価したい。
そして賛助企業様同士のコラボレーションという、主催協会としても嬉しい取り組みがみられ、今後の展開にも期待がもてる素晴らしいプロダクトである。
審査員 JCD正会員 白木 ゆみ香
サステナブル・プロダクト賞 ソリュート株式会社 No.2430 サスティナブルストーンパネル もったいない太郎&次郎
「JCDプロダクトオブザイヤー」の審査に参加するのは今回で4回目です。回を重ねるに従って審査に慣れるかと思っていましたが、毎回、難しさは変わりません。一次審査を通過した製品はどれも実用性、デザイン性に優れたものばかりです。最近はサステナビリティー(持続可能性)に対する意識も高く、その中でも「サステナブル・プロダクト賞」にノミネートされた3製品は、どれも甲乙付けがたいものでした。僅差で「サステナブル・プロダクト賞」に選ばれた「サスティナブルストーンパネル もったいない太郎&次郎」は、廃材として廃棄される運命だった石材を小さな板に加工し、それをモザイクのように貼り付けたパネル。少し大きめの板を使ったのが「太郎」、より小さな粒を使ったのが「次郎」。パネルに加工する作業は手作業なので、地元に雇用も生み出すとのこと。利用後にはさらに再生砕石として路盤材などに使われ、最後は土に還っていくそうです。「物を最後まで使いきる大切さ」を象徴するような製品だと思いました。ユニークなネーミングも魅力ですね。
特別審査員 株式会社日経BP社「日経デザイン」元編集長 花澤 裕二
総評
年々盛り上がりを見せているJCD プロダクトオブザイヤーが今年も開催された。
直接二次審査員にプレゼンテーションをするという方針に変わって4回目になるが、毎年プレゼンテーションする側の熱意が上がっているように思う。このプレゼンテーションで、私たち審査員はその製品について細かく知る事になるのだが、一次審査を通ってきただけあって、どれもよく考えられ、よく出来ていて、審査は難航を極めてしまう。ここ数年はサステナブルな製品に注目が集まっていたが、今年は今まであった製品を、さらに新しい使い方に進化させたり、より深掘りをした製品だったり、もっと痒いところに手が届くような製品が多かったような印象であった。グランプリも準グランプリも、とても素晴らしいアイデアに溢れた製品であったが、それ以外の製品も、これに負けない素晴らしい製品ばかりであった。
今後は皆様の活動の中で、ぜひその素晴らしさを伝えていって頂きたいと思う次第です。
審査委員長 JCD理事長 窪田 茂
受賞名 | エントリーNo. | 賛助会員名 | 製品名 | 製品PDF |
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サステナブル |
2430 | ソリュート株式会社 | サスティナブルストーンパネル もったいない太郎&次郎 | |
入賞 | 2431 | 竹村工業株式会社 | レノウッドW(ワイド) | |
入賞 | 2450※ | 株式会社モザイクジャパン | Baked Cooky (ベイクドクッキー) |
※印 グランプリ、準グランプリの受賞・入賞製品と重複を表しています